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ミュゼ本町相談ルーム(山手心理相談室)では、発達障害(軽度・グレーゾーン) 等の方が多数生き辛さ改善に取り組んでおられます。 |
最近になってよく耳にするようになった発達障害という言葉。ただ、その言葉の持つ意味を理解できている方がどのくらい存在するのか、といえば心細い限りです。たとえば、多くの方は発達障害=子供のもので、療育が必要といったイメージしかないかもしれません。しかし、発達障害に悩むのは子供だけではありません。大人の発達障害も存在するのです。むしろ、自分で生活していかなければならない点や、受け入れ先が限定されているという点では、子供のころより苦しい思いをされている場合も多いでしょう。
発達障害という概念がなかった時代には、おかしな子供、変わった子供といった扱いを受け、非常に生きづらい思いをしてきた方も少なくありません。また逆に「勉強ができる賢い子」という場合もあったでしょう。発達障害に限りませんが、その場の空気を読むことが苦手だったり、うっかりミスが多かったりという行動上の特徴のある方も存在します。
このような特徴は、よく「発達障害の場合、努力で改善することはできません」と記載されていますが、軽度やグレーゾーンの場合は決してそんなことはありません。このホームページでは、大人(成人)の発達障害とその改善について説明していきます。
発達障害関係の文献には、以下のように記載されていることが多いようです 【発達障害は、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害(現在は自閉症スペクトラム障害に統一されています)学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するものです。】 |
発達障害っていったい何なのでしょうか |
そもそも、発達障害ってなんだと思いますか。漢字から意味は分かるけど、実際にはどのような状態なのか
が自分では理解できにくい症状ですね。 というのも、発達障害の方が「自分は発達障害だ」と判断できるこ
とはほとんどありません。周囲の方から無視されたり、「変わっている」と言われてはじめて医療機関を訪
ねる方が大部分です。(成人の場合)
これを図示すると、上記のようになります。 これで少しは分かりやすくなったでしょう。発達障害には大きく
分けて自閉症スペクトラム障害・ 学習障害・ADHDの3種類があります。ここでいう発達障害には、知的障害
やアダルトチルドレン・ 事故や病気による後天的な障害・身体の障害は含まれていません。
(症状についてはサイト内各ページをご参照ください)
教科書には書いていない発達障害の問題点 |
山手心理相談室では、基本的に成人の方を対象としていますが、成人になるまで「自分は発達障害 だとは思っ
ていない」ケースがとても多いです。なぜかというと、以下の理由が挙げられます。 @障害により認知機能が
低下し、うまく自分を判断できない。A親に知識がないために、極端にできない科目でも詰め込みすればでき
るようになると思いこむ。 B両親のうちどちらか、または両方が発達障害のため、健診時に指導されない場合
は放置してしまう。 C勉強ばかりするのが「正解」という思い込みが両親や本人にもある。 D高学力の場合は、
周囲に同じタイプが多くなり、その社会から落伍してはじめて理解できる。 いろいろありますが、弱い部分が
あると特にメタ認知能力(*)が伸びないために、他者から見て おかしな行動をとったり、会社では「理想の
上司」なのに家庭では「モラハラ夫」になったりしや すくなります。
IT至上の現代ですが、時代が進歩するにつれ、結果として幼いころから勉強やゲームという「左脳」 ばかり使
うことになって、健全な脳の形成ができにくくなるのです。学力は高くても、右脳側が 子供のままの状態では
バランスは保てませんし、ご来室された方にはお伝えしている別の理由も 大きな影響を与えています。
もちろん、自分のことを完ぺきには把握できませんが、その能力が高いほど周囲との連携もうまくいきやすいの
です。 アダルトチルドレンでも似たような状態になります 。 これは医療機関では理解できませんし、また「そ
んなことはあり得ない」と言われている部分です。アダルトチルドレンによって幼少期あるいは青年期に脳の健
全な発達が妨げられた場合、軽い状態なら「親を許す」というカウンセリングで楽になることもあるのですが、
本来伸ばすべき時期に親に抑圧されてしまいますから、成人になっても不安や依存・未来をうまく考えられない
などの症状が強く出てきます。 特に、社会的な経験(親子団らん・外食・スポーツ等)が少ないために、社会に
出てからの苦しみも多くなる傾向があります。
つまり、(先天的な)発達障害と同様の症状が発生するわけです。
*メタ認知とは、自分が認知していることを客観的に把握し、制御すること、つまり「認知していることを認知する」ことを指します。
なぜ幼少期に問題にならなかった発達障害が大人になってから問題となるのでしょうか |
今まで日常生活に支障がない(支障があることに気付かない)発達障害等を持つ人が、特に就職により社会人という「当たり前のことができてはじめて給料がもらえる」環境におかれた場合、環境がその人に合わないために、もともとの発達障害等に加えて、うつ病・新型うつ・不安症などの二次的な疾病を引き起こしてしまうケースがあります。新型うつになった場合、パーソナリティ障害へと移行するケースもあるようです。
就職した仕事が自分の特性に向いていなかった場合、当然の事ながら失敗が続き、不安ばかりが増大します。成功体験を積み重ねることができませんので、レベルは上がらず、どんどん上司や同僚から「叱られる」状態になります。その結果、仕事をさせてもらえなくなったり、後輩の下で作業をさせられたりします。入社2年目くらいから、窓際状態に追い込まれるのです。もちろん、それはまだマシな方で、強制的に退職させられたり、聞くに堪えない言葉や暴力が振るわれることも結構あります。
発達障害の特徴の中心は「他人と上手にコミュニケーションや距離を取ることができない」ですので、そのような失敗を適切に先輩や上司に相談したり、アドバイスを受けたりすることができないケースや、実際問題「怒られているのはわかるけど、なぜなのかがサッパリ理解できない」ことも多くあります。これらの知識がない職場のメンバーからすれば、「常識がない」「アタマが悪い」「性格が悪い」としか思えないので、その方への当たりもどんどん強まってきます、
このように、発達障害等の副産物として、仕事の継続が難しくなることで転職を繰り返したり、失職してしまったりといったことも多くあります。その場合、さらに「経済的な不安」がのしかかってきますから、心療内科やカウンセリングルームに通うことがかえって不安にもなりえます。
自閉症スペクトラム障害あるいはコミュニケーション障害とカサンドラ症候群について |
社会コミュニケーションの障害とは、日常的な会話(言葉やLINEのキャッチポール)ができない、愛着を示す行動が乏しく、知らない人の中に置かれても平気という点が中心でしょうか。
よく、「他人から平気なように見える」方を含んでいるのですが、その中には「絶望的にさみしい」方や「さみしさをどう表現すればよいのか分からない」方が含まれています。その場合は毒親の影響で言語が伸びなかったという方も含まれていて、改善できるケースもあります。また、会話時に表情の変化が乏しかったり、非言語表現(ジェスチャー)が少なかったり、話し方がモノトーン(お経を読んでいるよう)になったりする点も特徴的です。
この症状の方は、周囲の空気を読むことが苦手なため、KY発言をしてしまうことも多くあり、人との関係を上手に築くことが困難な方も多いです。また、思考が硬直しがちなので、反復的な点もみられます。これらの特性を良い方向に考えると「ブレない」、「集中力がある」となり、異性からは「頼りになる」と思われる場合もあるのですが、いざ結婚してみると、表面に出てくるのは「褒めない」「ロボットと暮らしているみたい」となることが多いようです。
しかし、この自閉スペクトラム障害等の方は、自分に合わない環境下に置かれてしまうと、日常生活にさまざまな悪い影響を及ぼしてしまうこともあります。特に夫婦のどちらかがそのタイプの方であれば、パートナーさんは感情を吐き出すこともできず、鬱屈した状態が続きます。その状態を「カサンドラ症候群」と呼ぶ場合もあり、うつ・不安・イライラなど性格が変わるほどのストレスが発生します。
(アダルトチルドレン関連はこちらまたははこちらのHPへどうぞ)