注意欠陥多動性障害とアスペルガーという概念は、本質的には同じ発達障害に属しますが、併発している場合も
多いという状況です。
☆注意欠陥・多動性障害: 不注意、多動性、衝動性という3つの症状(あるいはその一部)に子どもの
(ADHD) ころから悩まされていて、それが成人しても続く状態。
☆アスペルガー症候群:社会性・興味・コミュニケーションについて特異性が認められるPDD(広汎性
発達障害)になります。
この両者の垣根を見分けることは難しいです。人との関係がよく分からないことや、怒りっぽいことなど
間違えられることも多いと思われます。
ところが、うつなども含めて考えると、元になる症状が違うにもかかわらず同じ対応をするカウンセラー
も多いという現状があります。
アスペルガー・ADHDはどちらが改善しやすいのでしょうか
たとえば、ADHDは簡単に言えば理性脳の症状で、アスペルガーは感情脳のそれです。
どちらが改善しやすいのかは当然状況によるのですが、当相談室の場合はアスペルガーの方が改善実績
は上がっています。その理由としては、アスペルガーの方は一度思い込めば継続的に続けることがむしろ
得意なのですが、ADHDの場合は論理的に状況をとらえることが難しい方も多く、継続する理由が理解
できにくいためと思われます。双方が重なってくると、カウンセリングを受ける意志さえ出ないことも
あって、改善以前の問題というケースも発生しています。
一般的にはADHDかアスペルガーか、あるいは複合しているのかという判断でさえ数か月必要です。
成人になって「アスペルガー・ADHDの傾向がある」と言われたとしても、改善できるケースは少なく
ありません。時間は必要ですが、ぜひ一緒に頑張っていきましょう。
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